【成長ホルモン注射の効果】成長ホルモン注射の投与量が少ないのではないか?という疑問

低身長・成長ホルモン
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はじめに
小学生の息子の成長ホルモンの医療記録を紹介します。「低身長」で注射を打っている子供の詳細情報や記録がなかなか見つからなかったので、低身長の治療が気になっている方々の参考までに。(令和1年の記事 令和2年加筆)

◉この記事を読んで欲しい人⇩

  • 子供の身長の伸びが気になっている人
  • 成長ホルモンの注射について調べている人
  • 成長ホルモンの注射をしているのにあまり効果がみられない人

◉この記事内容をまとめて言ってしまうと⇩

・日本で規定されている処方量は少ない(多くの諸外国との比較)し、量と効果についての臨床データの少なさが個人的に気になっている。

・実際に多めに打っている息子は非常に伸びが良い。

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成長ホルモン剤

成長ホルモンの薬は本当に高額です。なんで!?と思うほど高い。
医療費助成の対象となるのは結構シビアで、息子のように成長ホルモン分泌量がかなり少なくても、−2SDくらいでは打ってくれません。−2SDでもかなりの低身長で、将来160㎝以下の可能性が高いです。

そんな成長ホルモンですが、我が家はなんとか打つ決心をしました(一人っ子じゃなかったら無理でした〜)。現在1年経過(その効果は下にある別記事で)。そしてこの記事を書いたのは、注射の薬量について疑問がでたからです。

せっかく高額をだすのだから、きちんとした効果を絶対得たい!

量と効果の関係を疑問に思った理由

成長ホルモン注射で受診した医療機関は2つです。
その2人の医師の処方が違いました。いずれも成長ホルモンについて雑誌で取り上げられているような先生です。ちなみに体重は当時約25kgでした。

2つの医療機関の成長ホルモン処方量

①1つ目の小児科   週に6日 0.9mg×3 0.85mg×3

留意点
・基本的に温度管理が難しいので旅行には持っていかない。
・旅行期間に合わせて、前後の投与量を変更することができる。
(例えば、1ヶ月の旅行だとしたら、前の1ヶ月か後ろの1ヶ月、または旅行を挟んで2週間ずつを2倍量にできる。)
・忘れてしまった場合は、後日に2倍などに足して打っていくことができる。

②2つ目の小児科 週に7日 0.65mg×7

留意点
薬品の説明書通り、0.175mg × 体重で打っていく
・旅行期間などは休んでも良い。

2つの医療機関での相違点

上記のことから、どうして先生によって違うのかな?と思いました。
一番気になったことは、①の病院での「量を倍にして打ってもOK」ということと、忘れてしまった時はなんなら3倍とかでも良いという部分。

ということは、1回の量が多くても危険ではないし、むしろ効果がでる打ち方ははっきりと定まっていないのでは?と思いました。
特に①の医師は「低身長」治療で結構有名な人でしたから。

成長ホルモン分泌不全性低身長症

成長ホルモンは生成される量にもともと個人差があります。
「成長ホルモン分泌不全性低身長症」を診断するためには、成長ホルモンを測るために参考とされる「ソマトメジン」を血液検査で調べるのですが、驚くことに、分泌に問題のないレベルの子達同士にもかなり幅があります。200〜400も違うなんて年齢もあります

参考  IGF-1 (ソマトメジンC) 年齢別・性別における基準値

つまりもともと体内で作られる成長ホルモン量にはかなり個人差があり、成長に差がでているということです。ということは、やっぱり少しでも成長ホルモン分泌が多い子の方がよく育つのではないか?「成長ホルモンがドバドバ出ている人は大きくなりやすい」という記事もみかけるし・・・。
・・・だったら注射もたくさん打てばいいのでは?(たくさん打っても問題ないようだし)

よく寝る子は育つと言いますが、確かに良質の眠りが長いと大きくなりやすいようです。また22時〜2時までがゴールデンタイムだと言われていますが、これは本当は根拠のない時間だそうです。あくまで良質な眠りが必要で、少なくとも7時間は寝た方がいいみたいです。子供は10時間。

成長ホルモンの注射について

高額払う治療に疑問があってはやっぱり気がすまない・・・ということで私なりに色々調べた結果を書きます。もちろん医師ではありませんが(専門は全く違いますが身内に医師はいるので時々相談にはのってもらっています)、一度調べ出したら止まらない凝り性女です。

効果のある投与量って

ためしに「体重に対する成長ホルモンの量と効果の関係について調べたデータはどこでみられますか?」と薬品メーカーに問い合わせてみました。・・・すると「そういったものは分かりません。あくまでかかっている医療機関の指示に従ってください。」とのこと。(逆に先生は薬品メーカーに任せているんだけどなー)???と思いながら電話を切りました。そういえば、注射のレクチャーをしてくれたメーカーの方も、「先生の方針で全く違いますから。」と言っていました。

効果がはっきり分かっていない薬品メーカーの指示に従う医師もいるし、自分のさじ加減で処方を考えている医師もいることが分かります。

 

・どうして医療機関で違うのか。
・どうして効果の出方を患者に詳しく説明してくれないのか。
個人差があるなら尚更投与量の調整が必要なのではないか。

なんだかみんな奥歯に物が挟まったような・・・
責任取れないから人任せのような・・・ そんな印象。

投与量が少ないと思っている日本の医師の存在

実際に日本の成長ホルモン分泌不全症の治療では、体重に対する成長ホルモン注射量が諸外国と比べ少ないそうです。成長ホルモンの治療反応に対して75%の医師が問題にしており、その中でも1回あたりの投与量が少ないために効果が出ないと考えている医師が33.3%もいると書いてあるサイトがありました


小児科医アンケート調査結果
成長ホルモン分泌不全性低身長症 ホルモン分泌不全性低身長症の実態

どうして日本では規定量が少ないのかの仮説

承認許可を出す機関は厚生労働省ですが、承認するための審査を行う機関は医薬品医療機器総合機構(PMDA)です。お役所仕事だから、その間での責任の所在の不明瞭さが壁になっている匂いがプンプンしますが、「保守的な日本」というそれだけでなんとなく答えはでますよね。
それでもしつこく仮説を立ててみることにします。

① 治験の数と忍耐

おそらく量の見直しは少なからず言われているだと思います。
が、現在の規定値を改定するためのデータを集めるのは大ごとです。

「成長ホルモン治療をする子供をたくさん集め、体重に対して投与量をそれぞれ変えながら、何年も続けてデータをフィードバック」 してもらわないといけない。
横断的で、縦断的でもある、かなり面倒臭い研究になります。

おまけに、研究には「コントロール群」と言って、薬を投与しない低身長の子供も対象にする必要があるので、子供の成長が少なからず犠牲になるデータ収集ともなります。

極め付けは、結局個体差の影響が大きいため「データの信頼性が低い」ですよね。

ただでさえ、厚生労働省は変化に消極的
量を増やすなんていうのは、副作用の危険性をすっぱりクリアしておかないとあとでまずいことになるから、少なめのままになるのだと思う。
特にこの手の薬は、効かなくても命に別状がないし。(身長での使用の場合)

② お金の問題

低身長で治療をしたいと思う親御さんは多いと思います。でも助成の対象にはならないので、任意の自費治療になります。でも高額な薬なので、医師から簡単に注射をすすめたり、量を増やすことを提案できませんよね。

国の助成もある治療なので、助成費用が大変な額にならないように国と薬品メーカーとの間での調整もあるのではないかな・・・と勝手な憶測。

上記を踏まえ、どんな結論に達したか

ここまで、成長ホルモン注射の量と効果について突き詰めた個人的意見を述べました。そこで試行錯誤している(すでに1年経過)我が家の結論を発表します。

多めに打つ!!

我が家は、2件の病院の処方を総括的に考え、多かった量、多かった日にちで勝手に調整しました。

現在、0.9を毎日にしています。(最初の1年間)
※加筆:体重の増えもありますが、1年の間に段階的に増やし続けたため、1年経過後の現在は体重33Kgで1.1打っています。1ヶ月に5〜9ミリずつ順調に伸び続けています。

成長ホルモンは1年目に「キャッチアップ」という効果で非常によく伸びます。
そのため、私としては1年目でできる限り効果を最大限に発揮して欲しいです。

薬の調整なんてやってはいけない」…のは分かっています。
でも子供の成長は後から取り戻せないものだから詳しく調べ尽くしても足りません。

価格分の効果がでないのであれば払っていないのと同じ

医師によって処方も異なり、結果が分かりにくいということもありますが、効果がでないなら高額を払う意味がない!と考えています。

例えば、10万払って効果がでないのはおかしいです。だったら量を増やして12万払って伸ばしてあげれば、10万が無駄にならずにすむし、2万円分早く治療をやめられるかもしれません

子供の1ヶ月を無駄にしたくないです。「個人差」の一言で済まされては困ります。子供だって毎晩の注射を頑張っているんですから。

ちなみに、成長ホルモンは足や手の骨端線が閉じている場合にはもう投与したらNGです。レントゲンは必須です。内分泌学の医学書より。

 

注射のカートリッジの種類について
カートリッジは5mgと10mgの2種類。5mgと10mgの違いは、1回分の設定量のボタンの違いにあります。5mgの方は0.05刻みで調整できるのに対して、10mgの方は0.1刻みしかできないのが特徴です。もちろん10mgを買った方が少しだけ安いです。でも体重 × 0.175mg が用量なので、0.05刻みは成長に限らず必要となってきますね。注射器も2種類に分かれるため、2本購入の必要が。どうして10mgに0.05刻みを作ってくれないのか謎。

まとめ

勝手なブログ(身内の医師には相談しています)なので、かかっている先生に聞いてみて判断して下さい(++;)責任は負いかねます。
しかし、自費治療で効果が出ていないお子さんは考えてみてもいいかもしれません。
正直、「薬」ではないので。

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