これは私がはじめて就職した公的機関でのエピソードです。
あまりに衝撃的で、もどかしくって、イライラしたのを覚えているので記事にしてみました。
「認知症」
2017年度高齢者白書によると、認知症患者数は、2012年の段階で約460万人、高齢者人口の15%という割合だったものが、2025年には5人に1人、実に20%が認知症になるという推計もあります。
世界的にも増え続けており、毎年1000万人近くが新たに発症しているとも言われています。
人類は長寿の欲求を満たしながらも、まだまだ健康寿命が追いついていません。
近い将来ガンもほぼ解明されて治ってしまう時が来ると言われているし、脳血管障害も莫大な研究費を使って研究されているそうなので、健康寿命も少しずつ伸びてはいくとは思います。
ただ、現状で「認知症」は不可逆的で、発症してしまったら進行をゆっくりにするしかないのが実情です。
国も定年を「60歳から65歳へ。65歳から70歳へ。」なんて言っていますが、そこに隠れた問題があることは分かっているのでしょうか?
◉「責任者」の様子が変
私が就職したのは、とある県の機関。
その職場の責任者(いわゆる副所長のような・・・)は、穏やかで優しげで、他のおじさんたちのように絡んでくることもなく、特にこれと言って印象がない方。
ただ気になっていたのは、目が死んでいること。目が合わないし、笑わない。
毎朝一緒になるバスでも膝にカバンを置いて前を向き、微動だにしない。
挨拶は「あっ」と言ってかろうじて返してくれる。
「え? THE 公務員 ってやつ!?」
◉ 会議の秘密
彼は司会進行であるにもかかわらず、会議の内容が把握できていない。
なんの目的で集まっているのか分かっていない。
できるのは、手元の資料の最初の課題を読み上げて、「いかがでしょうか?」と言うだけ。
誰かが発言しても何も前に進まない。
なかったことになってしまうから。
周囲の人も観察しましたが、皆さん下を向いてただいるだけ。
どうする気もない印象。
最終的に30分くらい経過して、課長が一言「では◯◯でいきましょう」と案を出して終了。
「え? 集まる必要なくない!?」
◉ PCとのにらめっこ?
ある日、ちょうど用事があり、朝、その方のデスクに行き、帰りにもデスクに行きました。
一日中座っていたはずなのに、5文字しか進んでいませんでした。
「え? 手書きでよくない!?」
◉ 電話応対
電話は誰も出ない時はちゃんと取ってくれます。
ただ取り次ぐ相手が「不在か不在でないか」「いつ帰ってくるのか」が覚えられず、
掲示板を何度も確認しながら、「えーっと」と繰り返しているので、見かねて周囲の人がフォローします。
上司なのに超冷たく言い放たれます。
「あーそうだったそうだった。」と。
周囲は全く無反応。
「え? 1人だったらどうするんだ!?」
公務員の怖さ
税金を使っている組織は恐ろしいです。
臭いものには蓋をして隠します。
大ごとになると面倒くさいことになるから。
サッサッと、周囲がフォローしておしまい。
だから年齢で昇給もするし、そこそこの役職にまでなれる。
逆に少し上に行ってもらった方が、動く機会も少なく、ミスも目立たないから、今回の「副◯◯」くらいがちょうどいいのかもしれません。
トップは困ります。最終決裁の責任がありますから。
普通の職場ならありえませんよね。
機能していない人を高値で雇っているわけだから。
公務員にだって、今回のように「隠れ認知症」ってたくさんいると思います。
税金を使っている以上「認知症のスクリーニング」はするべきかと思います。
世に言う「窓際族」も、「認知症」であれば、本当の「窓際金食いおばけ」ですから。
とってもイライラする話でしょ?
でも行きも帰りもバスでまっすぐ前を向いて移動している彼をみて、その姿だけは健気だなと思ってしまうのです。
きっと今まで無遅刻無欠勤なんだろうな。
異動になっても数回はここに出勤しちゃうんだろうな。
日々のルーティンはできるわけだから、会話の少なそうな彼なら家族は分からないんだろうな。
早めに薬を飲ませてあげれば進行も抑えられるのにな。
でも誰も言わない。
隣人には下手に関わらないのが公務員の暗黙の掟です。
よっぽど任期満了の私が県庁の人事に指摘しようかと思いましたが、
もうかかわらないから関係ないか・・・と掟に従うことにしました。
今頃彼はどこで何をしているのだろう。
うちのお父さんは大丈夫なのだろうか?