【発達障害の診断】発達障害の診断名がつくことの意義って何?どうして診断が必要なのか。

アドバイスするなら…
はじめに
世の中にだいぶ知られるようになった「発達障害」。「発達障害」は目に見えないし、命に直結するものではないので、診断に行くか行かないかは自分(家族)次第なところがあります。では診断名をつける必要ってあるの?他の人はどんな時に初診を申し込んでいるの?という問いに答えていきます。

◉この記事を読んで欲しい人

  • 自分が「発達障害」かどうか気になっている人
  • 「発達障害」かもしれないと思っているけれど診断がこわい人やその家族
  • 「発達障害」の診断がついたところでどうするの?と思っている人

◉一言で答えると

A.  診断名がつくつかないに関係なく、いかにストレス・苦しさを減らせるかがポイント 

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発達障害について

「発達障害」は色々な細かな障害が合わさってまとめた言葉です。ただ世間一般には「ASD」(自閉症スペクトラム・アスペルガー)のことをさしていることが多いです。

発達障害の種類

「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」(発達障害者支援法)とされています。

狭義の発達障害
広汎性発達障害
自閉性障害(AD::Autism Disorde)
アスペルガー症候群(AS)
レット症候群
小児期崩壊性障害 (CDD)
特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)
学習障害(LD)
注意欠陥・多動性障害(ADHD)
協調運動の障害
言語の障害

発達障害の診断はつける方は難しく、つけられる方は簡単。

物事への注意・関心の向け方、読み取り方・感じ方の特異性から、コミュニケーションや社会性・想像性に他の人と違いがみられる人のことを指すので、幼少期からのエピソードを医師が聞き取って行く形になります。そのため、 下記の3つの中のそれらしいエピソード ばかりを取り上げて話してしまうと診断がついてしまうといっても過言ではありません。診断をする側からしても本当かどうかの証拠は分かりませんから。

1 社会性の質の違い 慣習的なルールや暗黙の了解を理解しながら、周囲の人とかかわる時に”適切”にふるまうことに難しい。
2 コミュニケーションの質の違い 相手が言っていることや感じていることを理解したり気づくことが難しい。また自分が言いたいことや感じていることを相手にわかりやすく伝えたり表現することに苦手さがある。
3 想像力の質の違い 自分が見たり予想していた以外の出来事や成り行きを想像したり納得することが難しい。自分の興味のあることや心地よいパターンの行動に強いこだわりがあり、想定外の行動を取ることに抵抗を示す。

発達障害の人の具体的な症状「どんな人?」

個人的に発達障害の症状を「障害」というのはあまり好きではありませんが、多くの人間社会が人とのやりとりによって成立しているものなので、浮いてしまう人、合わせられない人・・・だから「障害」という区分になってしまっているだけだと思っています。教育システムが違う昔にはそんな区別は必要なかったわけだし、無人島だったら障害じゃないんですから。

でもここであえてその特徴をあげるとするなら下記のような症状です。

・人の顔(目を)見て話すのが苦手。
・その場の空気(嫌味やジョーク)が分からない。
・相手の気持ちを察した行動がとれない。
・具体的な指示がないと行動にうつせない。
・雑談ができない。
・微笑みや目配せなどの目に見えないやりとりができない。

・音や光、人に触れることに過敏。
・極度の偏食。

・片付けられない。
・自分のルールに反する人にキレまくる。 などなど。

※ 言っておきますが、すべて当てはまるわけではありません。その人の個性、性格や環境によってそれぞれです。誰にでも得意・不得意があるように、発達障害はたまたま社会性の領域に「不得意さ」がみられるだけです。どんな人間も凸凹です!

発達障害の人が受診するきっかけ

様々だと思いますが、子供、大人の大きな共通点として、周りになじめない、適応できないということが多いのではないでしょうか。

幼児期から学童期

みんなと同じことができずに教室から出ていってしまう、他の子供に手を上げてしまうなどで、先生から指摘されたり、子供の周囲の人々から疎外感をもった母親 が受診の必要性を感じるケースが多いです。

思春期から青年期

学生の場合は、友達とのトラブル、孤独感、先生からのわけのわからない注意が頻繁になってしまうなどで不登校になったり、場合によっては自室に引きこもってしまうケースに至ります。早めに問題に気づいた保護者であれば受診に至ります。

社会人

職場での不適応、嫌がらせなどで大きなストレスを抱えて苦しくなってしまい、自ら受診に至ることが多いです。会社に行けなくなったり、対人が怖くなってしまったり、ひきこもってしまったりしたときに、今の自分について省みる中で大体の人がネット検索し、「そう言えば小さい頃から少し違和感があり、苦しかったことがある」と思い出し、診断名をもらいに行くという形です。

診断名をもらうことの意義

発達障害の診断名がつくことの意義を考えます。

診断名をきくことでこれまでの出来事に理由がうまれる

大きな意義としては、本人(保護者)がホッとできるということが挙げられます。もちろんショックを受ける人がいるのも事実ですが、多くの人が「自分の努力が足りない」「自分はおかしい」「子育ての仕方が悪い」などの自分を責める気持ちを抱えて初診に至っているので、その苦しさを止めることができるのは最大の意義と言えます。生まれた時からのものであれば、これまでの生きづらさにも育てにくさにも明確な理由があったわけですから。

症状を抑えられる投薬がある

発達障害は脳の情報処理の先天的な偏りなので、残念ながら今のところ根本から治せる治療薬はありません。(将来的には治すことができる・・・と注目が集まっている医学領域の1つで、確実に前進しています。)
ただ、脳の情報処理の偏りに働きかけて、症状を抑えたり、みえないようにする薬はあるので、定期的に服薬し続けることで周囲への適応が困難ではなくなることがあります。病院受診する具体的なメリットと言えます。

特にADHDの方は服薬によって日常生活が円滑にまわるようになることが多いのでおすすめです。

『ストラテラ(非中枢神経刺激薬)』
脳の神経には直接作用せず、ノルアドレナリン伝達物質の再取込み口(トランスポーター)の働きを邪魔します。その結果、ドーパミンの量を増やすことができます。一般薬扱いで、どの医師でも処方ができます。
『コンサータ(中枢神経刺激薬)』
脳の神経に直接作用し、神経細胞にあるトランスポーターの働きを抑え、ドーパミンなどの再取り込みを直接防ぎます。日本では、認定を受けた医師しか処方ができない薬です。
『インチュニブ(中枢性交感神経抑制薬)』
交感神経の過剰な興奮を抑えることによって多動性や衝動性を押さえることでADHDにも効果を発揮することがわかってきた薬です。

ストレスや気分を和らげることに目を向けられる

診察の際に、極度の緊張、不安感や不眠などの症状を医師に伝える機会になりますので、それらの症状に対する服薬が可能になります。幼少期の子供に処方されることはあまりありません。

『抗うつ薬』
神経間のセロトニンなどのモノアミンの濃度を上げます。抗うつ作用(落ち込みを和らげる)、抗不安作用(不安を和らげる)、こだわりや強迫症状を改善するなどの効果が期待できます。
『抗精神病薬』
ドーパミン受容体をブロックし、ドーパミンの作用を弱めます。興奮・易怒性などの改善にも効果が期待できます。
『気分安定薬』
気分の波を抑える効果が期待できます。感覚過敏に対して用いられることもあります。

心理療法・カウンセリングなどの心のケアにもつながりやすい

発達障害であることで心が疲労してしまうことも多いでしょう。診断をうけると、それに伴い、心理療法・カウンセリングなどの心のケアの方に目が向けられるというメリットがあります。
他にも、認知行動療法・SSTなど、生活に適応していくための様々な方法がありますので、専門家の指導のもとで現状から一歩踏み出せるようになるかもしれません。
服薬に抵抗がある、副作用が辛いなどの方には、こちらの方法につながると良いです。
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まとめ

「発達障害」が広まりだしてだいぶ経ちますが、まだまだ結構曖昧なものです。
発達障害のエピソードがたくさんあっても診断なしでやっている人もいれば、ほんの少しのエピソードでも苦しんで診断を求める人もいます。要するに、人生において出会う人間、育った環境、今いる環境、大人になってからの職などで生きにくさが大きく変わっています。性格だって影響しています。

診断を躊躇している人は、今の生活の中での自分のストレス、苦しさに目を向けましょう。もし手助けが欲しいようであれば受診するべきです。まだ頑張れそう、診断をもらうことの価値がないと思う人は無理して行かなくてもいいように思います。

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