カウンセラーとしてのこれまでの経験から、「カウンセリング」「スピリチュアルカウンセリング」「占い」の違いを分かりやすく解説していきます。少し長くなります。
◉ この記事を読んで欲しい人⇩
- 色々なカウンセリングに興味がある人
- どこに相談したら良いのか分からないと思っている人
- 「スピリチュアル」や「占い」なんかはいまいち理解できない人
◉ この記事を要約すると⇩
“何”から情報を受け取るかの違いです。
カウンセリングとは
一昔前から、なにか悩んでいたら「カウンセリングに行ってみたら?」なんて軽々しく勧められる時代になりました。『なんらかの専門の先生が話を聞いてくれて、悩みが解決する・・・』みたいに漠然と捉えている人も多いのではないでしょうか?
たしかに「カウンセリング」は「椅子に座って、先生に悩みを打ち明けて、それにアドバイスをもらって、通いながら心のダメージを回復していくこと」だと思っている人は多いと思います。
「心の治療」ということですね。
でも結局は「心」という 目に見えないものを扱う、なんだかよく分からないジャンルですが。
病院やクリニックのカウンセリング
まず「相談」と聞いて最初に思い浮かぶカウンセリングだと思います。
精神科受診のメリット
健康保険証を使って受診することからも、なんとなく安心できるし、精神科医も医師免許という国家資格を持っている人なので、信頼しやすいですね。
1番のメリットは「薬」がもらえることです。
脳を落ち着かせたり、安定させたり、睡眠コントロールができる薬を処方してもらえます。
「薬」というものは目にみえるし、「体に直接入れる」という行為が「直接効果が得られる」と感じやすいので、心というよりも考える「脳」に作用するという感じでしょうか。
精神科の医師が話を聞くことは「カウンセリング」ではなく「診察」です。
医師は患者の状態を正確に捉えるために話を聞いて、適した薬を処方するのが仕事だからです。
ある大学病院の医師が「精神科は話を聞けば聞くほど赤字になるから、1人3分ですませるのが目標」と言っていました。確かに、精神科はどんどん患者を回していくことが収益につながりますし、丁寧にみればみるほど赤字に近くなる科です。
精神科オーダーのカウンセリング
上記のように、医師はどんどん患者を回して診る必要があるので、そこで登場するのが、ゆっくり話を聞く「心理士」です。
1週間に1回45分〜1時間程度、個室でゆっくり話を聞きます。
これが万人に理解できる王道の「カウンセリング」なのかもしれません。
「カウンセリング」を「自費診療」にしている医師と健康保険を使用して3割負担にしている医師がいます。後者は本当はできません。
なぜなら診療点数は「医師」が直接患者を診ることでしかとれないからです。
ただ、患者の負担を少なくすることや、敷居が高くならないように気を遣っている医師は、健康保険を使うようにしてくれています。
正直、そのことで監査が詳しく調べたケースは経験上あまりありません。注意をされても毎回医師のサインがあれば大体OKです。患者さんには直接聞きませんので。
暗黙の了解なのかと思ったりしますが。
ちなみにもっとすごい医師は、無料で心理士によるカウンセリングを受け付けてくれたりします。
心理士の給料を時間給ではなく、固定給にして、カウンセリングスタッフというような扱いをしてくれています。
診察場面では話を聞いてあげられないことを気にしている良い医師もいます。
病院のカウンセリングでは何が行われるのか
病院と言っても、精神科・児童精神科など様々ですので「カウンセリング」として確保された時間に何をするのかは特に決まりはありません。
大体が個室で机に向かい合って座って、時間まで悩みについて話し合うという感じで間違ってはいないとは思います。
ただ、2人の人間が織りなす「相互作用」で「カウンセリング」は進んでいきます。
人が違えば、回復までの道のり、道順は全く違う。
話しているうちに、心理検査が必要だと考えたら、医師にあおいで「検査」をしたりもします。
場合によっては、パートナーの同席が望まれる場合は、時々同席をお願いしたりもします。
フロイトやユングなどの古くからの学問としての心理学を学び、カウンセリング手法の基本も頭に入っていたとしても、基本通りの道筋にはなりません。
毎回クライエントと心理士の オリジナルです。
その点は心理士によって考え方は分かれるところかもしれません。
私は、クライエントとの関わりの中でカウンセリングを変化させる柔軟さも大切ではないかと考えているタイプです。
一方で、「山」のように動かないカウンセリングの方が良いという心理士もいるでしょう。
カウンセリングの最終目標
私が恩師から学んだ言葉の中から挙げるとすると、
「自分の中に自分のカウンセラーを作ること」。
人の心には(脳には)自然治癒力があります。
忘れたり、開き直らせたり、代わりをみつけたり。
その元来持っている力を思い出させてあげることが目的だと思っています。
「傾聴」という言葉を聞いたことがありませんか?
人は自分の話に、傍でうなずいてもらっているだけで、どんどん勝手に話を深めて、自己解決に至るため、カウンセラーは患者さんの言葉にうなずいたり、繰り返してあげるだけで、もともと持っている答えにたどり着くことができるという手法の1つです。
「カウンセリング」の「終焉」は、自分自身の中にいるカウンセラーとともに、一歩を踏み出していくスタート。
生きている限り、人間には悩みや問題なんて尽きませんから、心の中に自分のことを一番よく知っている「カウンセラー」を秘めて生きていけるようになることが最終目的です。
心理士が個人的に行っているカウンセリング
偉い先生になると、自分でカウンセリング事務所(?)を運営しています。
アメリカでは「カウンセリング」は個人的に営んでいるカウンセラーの元に、自費で個人的に通うことが多いです。カウンセラーもそれで生きていけるくらいの稼ぎが充分にあるくらい、社会全体で「カウンセリング」というものを受け入れている結果だと思われます。
その点、日本だとまだまだ少ないかもしれませんが、あります。
1時間数万円〜とお高め設定の先生が多いけれど・・
個人のカウンセリングのメリット
診断名がつかないため、病歴に入りません。
あまり気にされない人は構いませんが、精神科に行けば、必ず「病名」がつきます。
病院が絡まないということは「精神を患っている人」という枠に飛び込まなくてもいいというメリットが存在します。
また先ほど少し触れましたが、カウンセリングの手法には色々あって、心理士それぞれが得意とする分野があります。
個人名を出してカウンセリングをしているような先生は、書籍の出版などもあるでしょうし、大体の「考え方」や「導き方」が事前にわかるのはクライエントにとっては有難いですよね。
本を読んで感銘を受けたから申し込むということは、その時点で治療に積極的にかかわることができ、変化を求めようとする自分の強い意志が確認できることも治療効果に結びつきやすいです。
個人のカウンセリングの最終目標
精神科でのカウンセリングとの違いは、病を「治療」するという目的だけではないことが挙げられます。
よりよく生きるために、定期的に心のメンテナンスに通う人も多いですし、「カウンセラー」がカウンセリングを受けにくることも多いです。
「カウンセラー」もカウンセリングを受けられる場所が必要です。
自分のクライエントとの話やカウンセリングの見直し、自分の心の状態の確認を行うことはとても重要なので、こういった有名な先生のところに通う「カウンセラー」は多いです。
次ページは「スピリチュアルカウンセリング」についてです。