【私立小学校のASD児(発達障害児)が退学させられたニュース】実はよくあること!?ASD児(発達障害児)が私立小学校に適応しにくい理由

楽しむ子育て論
スポンサーリンク
はじめに
福岡県内の私立小学校でADHDの児童が退学させられた事件。
我が家も私立小学校ですが、同じような問題は至る所で起きていると感じています。
スポンサーリンク

私立小学校に入学させる親の気持ち

小学校は公立で良いか、私立を選ぶか。
都会を中心に1度は悩む親御さんは多いのではないかと思います。

誰でも我が子にはよい環境を選びたい

地域によって事情は異なりますが、有名大学附属であること以外に、学友の家庭事情のレベルがある程度保たれることが共通した大きな志望動機となることが多いのではないでしょうか?つまり、「我が子とお付き合いさせたくない子(偏見含む)」がいないことを願っていることが主な理由。我が子を守りたいという親心としては十分な動機かと思います。

・・・冒頭であげたニュースは机を投げるなど他児への危害が原因となっているため、私立の穏やかな秩序を望んだ他の保護者からは苦情がでてもおかしくないことです。

発達障害があるからこそ手厚いサポートを望みたい

小さい頃からASD傾向を指摘されてきた子どもをもつ親御さんは、この子は小学校でちゃんと過ごせるのか、いじめられないだろうかなどの心配を抱きます。このような親御さんも私立小学校を望む傾向があります。私立だと先生たちがなんとかしてくれると考えたり、いじめっ子になりやすいタイプの子が少ないイメージがあるようです。

ASD児(発達障害児)が私立小学校で適応しにくい理由

今や10%〜15%近くの子どもたちが発達障害のグレーゾーンに入るのではないかと言われています。世界的にもこの数字は検証されています。筆者の感覚としても30人子供をみたら、少なくとも5人は何かしら発達が気になる子どもだなーと見立てますので納得の数字です。

そのため、私立小学校にASD児がいることは全く驚くことではありません。ただ、多くの方がそもそも入学試験に合格するのはなぜ?と考えつくかと思います。その答えはシンプルで、もちろん優秀だから合格しますし、親御さんの学歴、仕事も堅いことも合わせ、合格できます。

実は知的に遅れの伴わないASD児には優秀な子どもたちがたくさんいます。彼らの問題とされる点は社会的な行動(ルールを守る、周囲に合わせる、適切なコミュニケーション)なので、入試、面接では明るみにでないのです。

そんな彼らにはなんとか適応して欲しいのですが、退学につながってしまうような理由があります。

地域の教育委員会などの目が届かない

公立の小学校に入学する場合、市町村が行う各種健診からのフォローや就学時健診があり、専門家によるスクリーニングが行われての入学になります。また就学相談会なども設けられ、少しでも我が子に不安がある保護者は納得いくまで入学先の学校と話し合いが行われます。

特別な配慮が必要な子どもは学校の教職員が事前に把握することで「通常級でいけるのか」「通級制度を使うのか」「思い切って支援学級に在籍させるか」など、子供がクラスに適応するための準備ができます。

私立小学校の入学の場合は、市町村はノータッチなので、就学時健診も任意ですし、市町村での乳幼児健診の結果も共有されません。そのため、専門家の介入も保護者の悩みの共有もないのが現状です。

入学させても特別なニーズをもつ子供の扱い方を理解する教師がいない

私立小学校には、基本的に通級制度や特別支援学級はありません。そのため、通常クラスに完全には適応できない子どもたちのためのサポートはありません。

また、ASD児の対応を理解するための特別支援教育の勉強をしてきた教師は少ない(ほぼいないのではないか?)と思います。私立小学校は勉学に重きを置くことも多いため、最近は中学校の数学の免許や英語の免許がある教諭が重宝される傾向にあります。教師の人数は限られるので、わざわざ一部の生徒のために、特別支援教育専門の方を雇うことがないのも無理はありません。

机にきちんと座っている、他の子の勉学の妨げにならない、他の子のストレスとならないなどは基礎の基礎という考えです。ASD児は少しの工夫でクラスに適応できることがあるのですが、その工夫は知っていないとできないかと思います。

筆者が実際に目の当たりにした私立小学校の退学事情

私立小学校はモンスターペアレントが多いのか? いや、そんなことはないと思います。モンスターは謂れのない苦情、周囲を考えない自分本位な主張をするからモンスターなのであって、誰もが納得する理由がある場合は回数が多くてもモンスターにはならないと個人的には考えます。話す熱量が加減できない人はうざがられますが、大切な子供を通わせている場所の環境をよくしたいのはどんな親も同じだと思います。

そんな中、我が子が通う学校も何人か退学、転校した子がいます。

すぐにキレてしまい、他児の足を踏んだり授業中に叫んでしまう子供

字も綺麗で作文もうまい、はきはき話し、一見すると優等生なのでは?と思うほどでした。息子の友人になったら嬉しいなと感じたりもしていましたが、そんな評価も一変します。

その子は自分の主張が強く、他者に譲るということができませんでした。おまけに他の子の非を絶対許さない、足を踏まれたら4倍返し、なんでも自分が優先というタイプの子でした。参観日もその子がずっと答えを大声で発するので他の子は一切参加できないという始末でした。

どうなったかというと、クラス懇談会で大勢の保護者から名指しで問題となり、親御さんはおとなしそうな方だったので転校させたようです。ちなみに他にもこのように懇談会で名指しで問題とされるケースが2件ありましたが、その2人は親御さんのコミュニケーション力が高いことと、その場でご夫婦で謝られ、そのまま在学を続けています。

学習障害で勉強が出来ず、授業のレベルを下げてしまう子供

1年生の最初の参観日で、学習障害の子が2人もいることに気づいた私ですが、少しがっかりした気持ちは否めません。算数、読み書きなどが遅れる子どもがいるとカリキュラムが次々に進めないのでどうなるのか早速不安になりました。その点は学校側も「個に合わせた」という言葉で聞こえよくカバーしていますが、今でも気になっています。

仕事柄、先生も大変だな、どうしていくんだろうなとハラハラしますが、上の兄弟が入っていると下の子も入学させてしまうような風潮があるのが問題なのかなとも思います。

1人は退学していきました。親御さんも勉強をサポートするタイプの方ではなさそうだったので。

親が子供の勉学に積極的ではない、時間がない家庭の子供

私立小学校は宿題も多く、難しい問題も持って帰ってきます。保護者が答え合わせをして、場合によってはきちんと教えないといけないので、子どもが勉強に積極的ではない+両親が共働き だと、親子揃ってドツボにハマったりします。子どもを叱ってばかり→それでも子どもは自分でできない→親は時間がなくイライラする の悪循環に陥ります。学校側だってきちんと指導してくれていますが、家庭では何もする必要がないかというとそうではありません。私立小学校だからといって学校任せでは完成しません。子どもにもよりますが、特に低学年は家庭のサポートは必須です。祖父母が子どもを預かっている世帯で宿題のために塾に行かせているという話もよく聞きます。

結局、小学校からわざわざ私立を選んでいる学費が無駄という考えに至ってしまうようですね。

まとめ

少子化がすすむ現在ですが、私立小・中学校のニーズは増えていると言われています。公立はさまざまな家庭事情の子供がいるためコロナ禍でもオンライン導入がすぐに始められなかったことや、ゆとり世代で失敗したと言われているような迷走する文科省政策の影響を受けてしまうことなど不安要素だらけです。理念がしっかりした私立の方が安心できると感じてしまいますよね。

就学先は慎重に選ぶ必要があります。
子どもたちは全く悪くありません。転校を余儀なくされた子どもたちの傷が未来にも影響を及ぼすような大きな傷になっていないことを望みます。

【発達障害の診断名】発達障害の診断名がつくことの意味って何?どうして診断名が必要なの?
はじめに 世の中にだいぶ知られるようになった「発達障害」。「発達障害」は目に見えないし、命に直結するものではないので、診断に行くか行かないかは自分(家族)次第な...
タイトルとURLをコピーしました