息子(犬)に脳腫瘍が見つかってから治療までの記録です。
診断からは本当に毎日悪夢のようで、血眼でネット内を彷徨っていました。
ありとあらゆる情報をたくさんネットで調べました。
でも情報自体が少なかったことや、実際私が体験したことと、違うこと(金銭面や治療内容)も多かったので、同じように悩んでいる方がみて下さるといいなと思って記事にしています。
複雑な思いを最初に書きます。
近年、犬の医療も人間と同じようなレベルまで行えるようになり、
なんらかの症状が出れば、検査で原因が突き止められる世になりました。
それがいいのか悪いのかの議論はさておき、飼い主が行える治療の選択肢が増えてしまったわけです。
ーーー ということは、明らかに1つの命が手のひらにのってしまっているということになります。
うちの犬は脳にできた腫瘍の放射線治療を9歳と12歳の2度受けさせました。
これでよかったのか悪かったのか未だに答えは出ません。
ただ現状、死にかけていたのが嘘のように、ゆったりと老後を過ごしています。
ただ老犬は老犬なりの身体的問題が出てしまう。
気力の低下、腰痛、関節痛、膝痛、筋力の低下。
果たして長寿がいいのか悪いのか。
様々な意見があるかと思いますが、私は治療を選んで良かったです。
治療に至るまで
初期症状 (2015年6月頃 8歳)
ボストンテリア♂の話です。
根っからのボール狂いで、ボールキャッチに全てをかけていたくらい笑
そんな彼がいつものボール遊びの最中に、少しだけ片方の後ろ足を上げて走っていました。
ほんの数回のことでしたし、別に触っても痛がらないし、
肉球に尖った石でもついたのかな?とその日は軽く考えていました。
これが最初の兆候だったと思います。
そして同じ頃、フィラリア予防の薬をもらうついでにしてもらった血液検査で、肝臓の数値がかなり高いと病院より連絡を頂きました。
GPT/ALT=238 (正常値17〜78)
ALP=2073 (正常値47〜254)
びっくりするほどの高さでした。
ただ血液検査やエコーからも、肝臓の数値以外は特に異常は見られず、この頃は症状もなし。
進行症状 (2015年9月)
あれよあれよという間に
ぼーっとしている時間が増えてしまい、反応もどんどん鈍くなってきました。
ただ少し大人しく、だるいのかな?という印象でした。
でも、大嫌いな爪切りにも反応しなくなり、この辺りから焦り始めました。
おそらくここが、看取るかどうかの分岐点だったと思います。
大きな病院に行くことは「治療する」方に繋げるということなります。
ここからは坂を転がり落ちるように、悪くなってきました。
ご飯に興味を示さない、最終的に水も飲まないので、肉球や鼻などがカラカラになり、裂けてくる。
結局はっきりとした診断がつかないため、
「ここまで来ると、MRI検査しか分かりません。
ただ、短刀犬種なので麻酔で挿管した場合の呼吸困難で死亡するのリスクは他犬種よりも高いです。
料金も10万ほどになってしまうかと思います。」と言われました。
本当に悩みました。どうしたらいいのか。
家族は「もうあきらめなさい。9年もよく生きたよ。」と。
でも滅多になかない彼が、夜にないて暴れるようになりました。
私が見に行くと、普段は抱っこなんて大嫌いなのに、
自分から飛び乗ってきて、私の腕にグーっと頭を強く押し付けます。
頭痛がすごいようでした。
この状況を真っ向から見守っていられない私が弱いんですよね。
記事を書いていて繰り返し思いました。
そんな弱い私は、、、やっぱりMRIをお願いすることにしました。
このまま病気で死ぬのか、検査中に死ぬのか。
どちらにしても死が待っているのなら、生きられる望みに近い死を選ぼうと思いました。
M R I 検査へ
麻酔→検査→診断を1日でやって下さったので、ほぼ1日がかりでした。
他に血液検査やエコー検査、処置料など含め、74000円ほどのお会計でした。
(今思えば、すごく高いな。あの頃は藁をもすがる思いだったから。)
検査後、待合室で待つ私に、
主治医の先生がきて、「やはり 脳に腫瘍が見つかりました。」とのこと。
「・・・(覚悟はしていましたがやはり泣ける)」
「もうここの病院では何もできないので、
もし治療を望まれるのなら大学病院に紹介状を書きます。
よく考えて、また連絡を下さい。」と先生。
とりあえず、検査から無事に生還した頼もしい彼と帰宅しました。
ぐったりした彼を横に泣くしかない私。
「3桁は覚悟した方がいいかも」と言われた事を思い返しながら、
途方に暮れて帰るのでした。

